第1903例会 ゲスト卓話

ゲスト卓話「我らがカープ 頑張れ!若鯉」

元広島東洋カープ選手・野球解説者
天谷 宗一郎 様

皆さま、ご紹介にあずかりました天谷宗一郎です。3年前に広島東洋カープを引退し、現在は赤いつなぎを着て食レポをしている印象があると思いますが、本職はRCC中国放送でプロ野球解説をやらせていただいています。解説のほうは「甘すぎる」とか「ポジティブ過ぎる」と言われます。しかし、そこには自分なりの理由があります。皆さんのお仕事もそうだと思いますが、野球のプレーに簡単に楽な気持ちでこなせるプレーは一つもありません。バッターを打ち取ることも、バントを決めることもそうです。全てのミスプレーを肯定するつもりはありませんが、否定から入らず選手をリスペクトするという思いです。ポジティブ過ぎるのは正直自分でも少し無理矢理感を感じる試合もあります。それでも大半の選手と一緒にプレーしているからこそ頑張ってほしいという感情になってしまいます。これからの解説ではその思いはグッと飲み込んで冷静に解説していきますので、これからも、あたたかい目と耳で聴いていただけたらありがたいです。

今期のカープシーズン序盤は順調な滑り出しとは言えませんでしたが、本当に楽しみでした。しかし新型コロナウィルスの感染者が出てから風向きが変わった気がします。しかも苦手と言われている交流戦に突入するタイミング。苦しい戦いが続くのはなんとなく想像できました。それでも昨年課題だと言われていたクローザーにルーキーの栗林選手が収まったこと。社会人卒として昨年新人王を受賞した森下投手と比較されるプレッシャーもあったはずですが、それをものともしない活躍です。シーズンでの働きももちろんですが、最近で言うと全試合に登板したオリンピック!ものすごい経験をしたと思うのでそれをカープの若い選手に教えてあげてほしいですね。

そしてキャンプ中の若い選手の台頭。野手で言えば林です。春季キャンプを一軍で過ごし、今まで感じたことのない刺激があったと思います。開幕一軍こそ逃しましたがシーズン途中で昇格後素晴らしい成績を残しています。現在は他球団の配球の変化や守備での怖さも出てきたのか戸惑いをみせるところもありますが全て勉強です。小さくまとまらずに林選手らしい思い切りの良い打撃をみせてもらいたいです。ホームランも現在は5本なので終了時には最低でも二桁は打って欲しいですね。先週のジャイアンツ戦を観られた方もおられると思います。連打での得点を期待できないエース級の森下にソロ3本、終盤まで競った展開での相手にダメージを与えて試合を決めるホームラン。改めて長打力の重要性を感じた試合でした。

来季楽しみな選手ですが、その点をふまえて、来季一番期待したい選手がまずは広島出身の正随です。背番号が49と共通点もありますが決して忖度ではありません。今シーズン早い段階で一軍に呼ばれましたが、新型コロナウイルスに感染してしまい、そこから2軍調整の日々が続いてしまっています。彼の1番の魅力は長打力です。まだまだ一軍の雰囲気に慣れずに、自分の長所を出そうと2軍とは違う力感でプレーしているように感じました。彼のような選手は首脳陣に単打ではどうしてもでは満足してくれない傾向があります。少しかわいそうではありますがそれはプロだからこそ仕方ないところかなと思います。足も決して速いわけではないので、そうなったら俊足タイプの選手が使われます。勝負しなければいけない選手も同じタイプの長野選手や外国人選手です。ハンデは大きいですが、もっと長打力を磨けば化ける可能性は十分に秘めています。

その他にも若手選手で長打が魅力の選手がいますがまだまだ荒削りです。なので、今年のドラフトが大切になる気がします。DeNAの牧選手の様にルーキーながら二桁HRを放ちサイクル安打を達成する様なスター性溢れる右の大砲を獲得してほしいですね。投手ではすでに活躍していますが2年目の玉村です。彼は福井の後輩で入団時から注目していました。びっくりするような球種はないですが、何と言ってもコマンド能力が抜群です。パワーがついてくればもっと素晴らしい投手になれるはずです。今期はもちろん、気が早いですが来シーズンも楽しみにしていてほしい存在です。

ここまで若い選手に触れてきましたが、やはりカープが上に行くには主力の力は欠かせません。昨日復帰した相沢の存在は目を見張るものがありましたね。リードはもちろん彼がチームにいるだけで雰囲気がガラッと変わった気がします。そして誠也。26歳と若いですが彼が打てばチームは勝てる。それがわかった1週間だったと思います。

ご静聴ありがとうございました。

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